目を閉じても歌える【軽率に生きる日】

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自分と自分のすきな人のことなら、いくらだって文字を連ねてゆけるだろう。

歯車が回ってないのだ。意識せずに呼吸ができるように、意識せずに歩いていけるように、そんなふうに生きられていない。思考がとびとびで、不安と焦りがみぎひだり、と足を前に出して、どうにかこうにか歩いている。

苦しいかというとそうでもない。ただ、静かに風に吹かれて消えてしまいたい気持ちになる。朝の徒歩通勤。誰とも心を交わさずに一日を終えた帰り道。自分はひとりきりだと感じるときには特に。

目を閉じるな、耳をすませ、心を開け。

そうやって生きてきた。なのに今、未来に目を背けたいわたしは、今を生きていない。

自分のぐずぐずさに疲れたので、人の声を聴きたくなった。

そして、聴きたくなっただけなのに、たくさん話した。

心を開こうとせずとも開いてしまい、話そうとせずとも話してしまう場があったのを、思い出した。

特別な議題なんてない。いつものように、話した。元気に話すと元気になる。明るく話すと明るくなる。未来の楽しみについて話すと、今のわたしが楽しくなる。

10年後でもない、1年後でもない。たった1ヶ月。少しだけ先の未来が見えて、心がぎゅっと満たされる。

ふふ、と笑う声。ふわっと話す声。イヤフォンを通って耳に入ってくる音も愛しかった。

また少し、生き返った。

ここは、わたしの好きなあの人たちは、海に似ている。

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