なにかとなにかを比較するとき、あるいは並べて説明したいとき、「AとB」というふうに記載するのは、何も違和感のないことだろう。
例えば思いついた例のひとつめは『罪と罰』
これはドストエフスキーの代表作のひとつだけれど、ここでいう罪と罰はどんな関係だろう。
同じ意味ではないし、逆の意味でもない。けれど似ているかというと違う気がする。
罪に罰が必要か、あるいは、罰は必ずしも罪に起因するものか。罪のない罰はあるのか、などいくつもの疑問がわく。なかなかに高尚な問題提起になるだろう。
対して、ふたつめの例は「犬と猫」。かなり様子が違う、というか偏差値が下がってしまったが、思いついてしまったからには考えてみると、人間に飼われるペット代表の2者。動物やペットとして同じグループに入れたくなる人もいれば、こんなにも個性の異なる彼らを同じペットのひとつとしてくくることは許せないという人もいそうだ。高尚な感じは全くしない。しかし、ひとたび「こ」をつけて「こいぬとこねこ」にすれば犬好き猫好き動物好きの全員が「ああっ」「やだもうっ」と声をあげてしまう程のポテンシャルがある。圧倒的なパワーを感じる組み合わせだ。
うーん、なるほど。なにかとなにかで「&」をはさむ、あるいはなにかとなにかの間に「&」が割り込むことでなかなかに面白いことになるようだ。
そしてたぐりよせたみっつめの例が「ケイコとマナブ」。急に頭に降り立った。
これはかなりイレギュラー。
だって名前だ。完全に個人の名前。男女のカップル感、あるいはカップルでなくても親密な雰囲気は大いに漂っている。付き合ってないかもしれないがおそらく手は繋いでいるし、カフェで見つめあって会話がなくなっても「なんだか緊張しないし、この人、いいな」くらいには思い合う仲だろう。そして寝る前には二人とも日記を書く習慣があり、お互いの名前を書いて少し照れていることだろう。いやこれは妄想に過ぎないが。
わたしの頭に降り立ったこの「ケイコとマナブ」が何かご存知だろうか?お稽古や習い事、資格取得情報のサービス名だ。リクルートの。今調べて知った。おそらくテレビCMの音声としてわたしの記憶に残っていたんだろう。ケイコとマナブ。お稽古やお勉強がはかどりそうで、かつ親しみのわくサービス名だと思う。
すごくイレギュラーだったがまあ「&」でつなぐものの例をみっつ述べてみた。
そこでだ、なんでこんなこと言いだしたかというと、例とかじゃない、ガチのムチの「AとB」が現れたからなんだ。読解する力を貸してほしい。
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『土星と威勢』
ん?
んーーーーー、ん?
すこぶる意味がわからん。すこぶる。
わたしが先日、マシュマロというサービスを使ってTwitterでブログのお題を募集したのは知っているね?
昨日そこに飛んできたのがこれだ。記念すべきマシュマロ第1号だ。とんでもない奴がいるもんだ。マシュマロはエロ単語や悪口は飛ばないようにできているそうだが、これもかなりの攻撃力がある。間違いない。
被弾した老兵の気持ちそのものだが、考える。
『土星と威勢』
まず、土星といって思い出すのは度々話題にする4年付き合った彼女のことだ。彼女は大学時代に星の研究をしていて、衛星だイオだなんだと話してくれたし、大学の展望台にも連れていってくれて…
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いや。もうこれ以上の言葉は蛇足だろう。
『土星と威勢』
高尚な意味はいくらでもつけられそうだが、これはただの、ただの親父ギャグだ。そう言い切ることにしよう。土星と威勢の共通点は1時間で50個はひねり出せそうだが、そんなことはしない。
その前に大前提として、土星と威勢は付き合ってないじゃないか。どせいさんといせいさんも付き合ってなどいない。まだ出会ってもいないだろう?
土星が生きる道と、威勢の生きる道。この二つは出会うことのないふたりなのだ。土星の周回軌道と威勢の歩く道が重なることは万に一つの可能性もないことは、NASAが証明している(気がする)。けれどこんなのおかしな話だ。
この悲しい真実を変えたい一心で、あえて土星の周回軌道上にマシュマロを置こうじゃないか。いつか威勢と出会う日がきたら、それはあのマシュマロのおかげだ。死ぬまでにふたりが出会うことを、そう、心から願って、誰かから投げられたマシュマロを宇宙に向かって思い切り打ち返す。
大気圏を越えるあたりで焼きマシュマロになるのが楽しみだ。
お題:『土星と威勢』